小児科ガイド:急な症状の対応・健診・予防接種のポイントを解説

薬を使用する際は、必ず医師や添付文書の指示に従いましょう

解熱剤の多用はよくありません

成人に比べて肝臓や腎臓が発達しきっていない子供は、薬を代謝し排泄する肝臓と腎臓の働きにも大きな個人差があるので、薬の服用によって予期せぬ副作用がおきることがあります。

また薬への感受性が強く、細菌への抵抗力も低い子供の内臓は、服用によって発疹や下痢などの症状を引き起こすリスクもあります。

薬を使用する際には、医師や添付文書の指示に従って、その用法や用量を守ることが大切です。

子供が大きいからといって大人と同じ量を飲ませるのは危険です。身体は大きくても、肝臓や腎臓はまだ発達途上の段階だからです。

逆に親の判断で、大人用の薬を半分に割るなどして与えることもいけません。一般に薬局で購入可能なOTC薬は3ヶ月未満の乳児には飲ませていけないことになっています。

子供が発熱した際に、解熱用の座薬を安易に使用する人がいますが、熱は直ぐに下がっても、なにが原因で発熱したのかがわからなくなってしまうことがあります。単なる風邪ではない病気が隠れている可能性もあるので、薬の投与で熱が下がったからといって安心しないで、しばらくは子供の全身状態を観察していることが求められます。もし、薬を服用した後に異常が見られた場合には、速やかに小児科医や薬剤師に相談してください。

乳児は胃の中のものを吐くことがよくありますが、この場合はあまり心配ありません。しかし、幼児が薬を飲んだ後に吐いたり、激しい下痢を起こしたときには直ぐに医師か薬剤師に相談しましょう。

また薬を飲んで発疹がでたら薬物アレルギーの可能性が疑われ、顔色が蒼ざめたり、急に黙りだしたりしたら、ショック症状を引き起こしている可能性があります。この場合も同様の対処をしましょう。

小さな子供の手の届くところに大人が服用する薬を置いておくと、誤飲してしまうことがあります。誤飲したときは、意識がある場合には吐かせて医療機関へ連れて行き、意識がない場合には直ぐに救急車で医療機関に搬送してもらいます。