小児科ガイド:急な症状の対応・健診・予防接種のポイントを解説

妊婦さんに風疹を移してしまうと、赤ちゃんへのリスクが生じます

ウイルスの伝染力は強い

風疹ウイルスに飛沫感染(咳やくしゃみなど)することで急性の発熱や発疹が起きる病気です。欧米では以前から2回のワクチン接種が行われてきましたが、2989年まで男子の予防接種が行われてこなかった日本では未だに風疹が流行しています。

妊娠初期の妊婦さんが風疹に感染すると、心臓病や難聴、白内障、精神運動発達遅滞などを持った「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれる可能性があり、流行の兆しを見せている2013年現在、新聞やニュースでも大きく報道されています。

風疹にかかる年齢は生後12ヶ月くらいからです。麻疹ほどではないものの、伝染力が強く、症状が出ない人でも知らないうちに他の人に写してしまう可能性があります。

風疹の症状としては、2~3日の発熱と発疹が現れます。発疹は、胸や顔から始まり1日くらいで全身に広がります。また耳の後、後頭部、首のリンパ節が腫れて、関節痛が伴うこともあります。6000人に1人の割合で脳炎が、3000人に1人の割合で血小板減少性紫斑病(血が止まらなくなる病気)が起こります。

予防にはMR(麻疹風疹混合)ワクチンが有効です。定期接種は生後12ヶ月からで、1歳代と小学校入学の前年に接種します。大人もワクチンを受けていなかったり、免疫が失われているときは接種を受けましょう。