ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)のワクチン接種

小児科ガイド:急な症状の対応・健診・予防接種のポイントを解説

2013年度から定期接種となった子宮頸がんのワクチン

低い検診の受診率が課題

ヒトパピローマウイルスにかかると約10%は軽い前がん状態(がんに先立って介在する病態)になりますが、その多くは自然に治ります。それでも毎年約15000人の女性が新たに子宮頸がんを発病して、2500人が死亡しています。

子宮頸がんは進行するまで自覚症状がないため、気付いたときには治療に大手術を要することが多く、重い障害が残ることになります。「性」への考え方が開放的となっている日本では子宮頸がんの発症年齢も低くなっており、患者数も急増しています。

ヒトパピローマウイルスには150を超える種類があり、子宮頸がんを引き起こすのは主に16型、18型ウイルスとなっており、性行為を通じて知らない間に感染してしまいます。

16型と18型のヒトパピローマウイルスに対して有効な2価ワクチン(サーバリックス)と16型、18型および尖圭コンジローマなどを引き起こす6型、11型のヒトパピローマウイルスに対して有効な4価ワクチン(ガーダシル)があり、このワクチン接種により約70%の子宮頸がんが予防できるとされています。

日本では予防接種法の一部改正により2013年4月1日からワクチン接種が定期接種となりました。対象となるのは小学校6年生から高校1年生の女子となっていますが、自治体によっては原則中学校1年生からとなっているところもあります。婦人科や内科でも可能です。

ただし、ワクチンに含まれない33、52、58型ウイルスでもがんは発生するので、ワクチンを接種したからといって安心しないで、20歳を超えたら1~3年に一度は子宮頸がん検診を受けることが大切です。しかしながら、日本の子宮頸がん検診の受診率は約20%と非常に低いため、現在も死亡率は高い状態で推移しています。