発症すると深刻な病状を示す「日本脳炎」の予防接種

小児科ガイド:急な症状の対応・健診・予防接種のポイントを解説

患者数は少ないが、死亡率が高い日本脳炎は予防接種が大切

蚊が媒体になります

日本脳炎ウイルスに感染したブタの血を吸った蚊が媒体となって、人間に感染する病気です。人から人への感染することはありません。またウイルスに感染しているブタも発症しません。

感染しても多くの人は症状が出ませんが、100~1000人に1人の割合で脳炎を発症し、痙攣や意識障害が生じて、そのうちの15%ほどが死亡すると言われています。一旦発症すると重症化してしまうのでワクチン接種が重要です。

日本国内の患者数は現在、年間で10人以下ですが、ワクチン接種が始まる前は、年間1000~5000人ほどが発症していました。全世界では現在でも年間で数万人の患者が発生しています。

日本脳炎の予防接種は、当時のワクチンで「急性散在性脳脊髄炎」の後遺症が出た可能性があると厚生労働省が認識したため、一旦2005年5月末に中止となりました。しかし、WHO(世界保健機関)の専門委員会も科学的に否定し、新しい細胞培養ワクチンが開発された現在は通常通りの予防接種が受けられます。

北海道では、以前は日本脳炎ウイルスを運ぶ蚊がいなかったことから、予防接種は必要ないとされてきましたが、夏場の旅行などで日本各地を訪れることもありますし、発症すると命に関わる病気ということもあり、接種が勧められます。